植物栽培ナビ
監修:恵泉女学園大学教授 藤田智
キャベツ【地植え】の育て方について紹介いたします。
このページではキャベツ【地植え】の基本情報やまめ知識をご紹介しています。
- 科名属名:アブラナ科アブラナ属
- 原産地:地中海沿岸地域
- 分類:一年草,耐寒性,草本
- 栽培のスタート:苗から
- 日照条件:日なた
- 生育適温:15~20℃
- 水やり:乾燥が激しいときは、たっぷり水やり
- 特徴:春にも栽培できるが、つくりやすいのは秋植え秋冬どりの作型。
- 樹高:草丈(40~50㎝)
- 植えつけ期:苗(8月中旬~9月中旬)
- 開花期
- 収穫期 11~12月
- 植えつけから収穫までの期間 苗から 秋冬キャベツ(極早生種45日、早生種60~70日、中生種80~90日)
- 開花から収穫までの期間
キャベツは、アブラナ科の代表的な結球野菜。原産地は地中海沿岸地方で、日本へは明治初年(1868年)に導入され、以降、各地で品種改良されました。その結果現在では、周年栽培が可能になっています。 キャベツは、基本的には20℃前後の冷涼な気候を好むため、平地では春と秋に旺盛に生育します。そして、夏の高温期になると、平地から高冷地へ産地が移動します。 キャベツは、生でも煮ても、また漬け物でも利用できる、調理適性が広い野菜です。さらに、ビタミンCやビタミンUの含有量が高く、健康野菜として人気があります。しかし、おいしいがために、アオムシ,コナガ,ヨトウムシなどの害虫の標的にもなりやすく、対策が必要です。 特筆すべきキャベツの地方品種としては、「札幌大球キャベツ」が挙げられます。北海道札幌市特産のこのキャベツは、重さが10~12kg以上にも成長します。昔から名前だけは知っていましたが、初めて実物を目にしたときは、そのあまりの大きさにびっくりした思い出があります。「札幌大球キャベツ」は、大きい割に葉は柔らかく、漬物にすると最高に美味です。ただし、栽培には約6カ月もかかります。12月収穫を目指すなら、6~7月にタネをまいて育苗し、7~8月に植えつけて、12月~翌1月に収穫します。機会があれば、ぜひ栽培してみたい品種です。 さて、植物が花芽をつくるためには、温度や日長などの環境条件が関係しますが、植物の種類によって、反応する生育ステージが異なりす。例えば、ハクサイやダイコンなどは、種子春化型といって、発芽した段階の幼苗時から、低温に反応して花芽をつくるグループに属します。したがって、これらはタネまき時期が遅れると、十分に結球しなかったり、根が肥大しなくなります。対するキャベツ、タマネギなどは、緑植物春化型に分類され、植物体がある程度の大きさになってから低温に反応し、花芽ができるグループです。これらは、冬越しの段階で、苗の大きさが一定以下だと花芽分化しません。やがて初夏に結球し、栽培は成功するというわけです。 キャベツに含まれる有効成分、ビタミンUの働きは、まだ全容が解明されていません。しかし、古くから「胃腸の粘膜を正常な状態に保つ作用」、「胃酸の分泌を抑える作用」、「胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの治癒能力を高める」効果があるとされています。サラダや、とんかつなどのつけ合せのキャベツは、残さず食べるようにしたいものです。