植物栽培ナビ
監修 恵泉女学園大学教授 藤田智
イチゴ【地植え】の育て方について紹介いたします。
このページではイチゴ【地植え】の基本情報やまめ知識をご紹介しています。
- 科名属名:バラ科キジムシロ属(ポテンティラ属)
- 原産地:北アメリカ、チリなど
- 分類:多年(宿根)草,耐寒性,草本
- 栽培のスタート:苗から
- 日照条件:日なた
- 生育適温:17~20℃
- 水やり:乾燥に弱いので、乾きが激しいときはたっぷり水やり。
- 特徴:低温にあわせて花芽分化させ、開花、結実後は雨に当てない。
- 樹高:草丈(20~30㎝)
- 植えつけ期:苗(10月中旬~11月上旬)
- 開花期 3月中旬~4月
- 収穫期 5月中旬~6月上旬
- 植えつけから収穫までの期間 苗から200日
- 開花から収穫までの期間 約1カ月
イチゴはバラ科の多年草です。生育適温は17~20℃と冷涼な気候を好むので、夏の暑さを苦手とします。さらに、浅根性のため乾燥に弱いのですが、寒さには強く、雪の下でも越冬します。 世界の主なイチゴ生産地帯は、温帯~亜寒帯の間にあり、熱帯では標高1000m以上の高地でなければ栽培は見られません。だから東南アジアのような熱帯地域では、イチゴ自体が珍しい果実で、高価な値段で販売されています。 現在の栽培イチゴは、18世紀にオランダで、バージニアイチゴとチリイチゴの交雑によって誕生したといわれています。つまり、現在見られるあの大きなイチゴの実は、今から300年ほど前にできたのです。もちろん、日本にも自生する野生イチゴがありましたが、ご承知のとおり、ヘビイチゴやナワシロイチゴのように実も小さく、甘味の少ないものでした。初めて栽培イチゴを食べた日本人はさぞ驚いたことでしょう。 イチゴは、秋の低温と短日の条件で花芽が分化します。そしてその後、春から初夏の高温と長日の条件で開花・結実する性質をもっています。したがって、露地で栽培すると10月中旬~11月上旬に植えつけ、翌年の5月中旬ごろから収穫が始まります。ところが、イチゴが最も多く消費されるのは、ご存知のようにクリスマス近辺です。なぜ、こんな寒冷期にイチゴの実ができるのでしょうか? それは、まず、夏場にイチゴの苗を冷蔵庫や富士山などの高冷地へ置いて人為的に低温に遭わせ、花芽分化させます。そして、花芽分化した苗を、9月中旬以降にハウスに植えつけると、ハウス内の高温によって開花し、実ができるという仕組みです。しかし、受粉後の結実には最低5~6℃が必要なので、場所によってはハウス内を加温しなければなりません。 イチゴの栄養価で一番注目すべきものは、ビタミンCです。大粒のイチゴを5~6粒食べると、1日のビタミンC摂取量をとることができるほどです。