植物栽培ナビ
監修:広島市植物公園 島田有紀子
はやとうり【地植え】の育て方について紹介いたします。
このページでははやとうり【地植え】の基本情報やまめ知識をご紹介しています。
- 科名属名:ウリ科ハヤトウリ属
- 原産地:メキシコ南部~熱帯アメリカ
- 分類:多年(宿根)草,半耐寒性,つる性
- 栽培のスタート:タネから
- 日照条件:日なた
- 生育適温:20~25℃
- 水やり:土の表面が乾き始めたら、たっぷりとやる。真夏には、朝夕に2回水やりする。庭植えの場合は水やりはほとんど不要
- 特徴:白色種と緑色種がある。 苗はほとんど流通していないので、果実(種瓜)を入手する。果実を割って中のタネは出さず、果実のまま植えつける。
- 樹高:つる性(4m)
- 植えつけ期:
- 開花期 9~10月
- 収穫期 10月中旬~11月中旬
- 植えつけから収穫までの期間 6ヶ月
- 開花から収穫までの期間 2~3週間
ハヤトウリは、ウリ科のつる性の多年草です。原産地はメキシコ南部から熱帯アメリカ地域で、日本へは、大正時代に鹿児島へ導入されたのがきっかけで、「薩摩隼人」から「ハヤトウリ」と呼ばれるようになりました。 洋ナシのような形をしている果実には、緑色のものと白色のものがあります。栽培は、タネを植えるのではなく、果実のまま植える点がユニークといえるでしょう。多くのウリ科植物はタネをたくさんつくりますが、ハヤトウリの果実には、1個のタネがあるだけです。 寒さに弱く、霜が降りると地上部が枯れますが、暖地では、地下茎が残って冬越しすることがあります。地上部が枯れたあとは、敷きわらやマルチングをして防寒しておくとよいでしょう。 収穫時期は秋で、霜が降りるまで長く楽しめるカーテンとして重宝します。 また、ハヤトウリは、ほかのウリ科植物とは異なり、短日植物なので、開花、および収穫ができるのは、秋になってからです。秋になってまず咲くのは雄花で、その後、次々と雌花が咲き始めます。なかなか果実が実らないと諦めることなかれ。雌花が咲いて受粉に成功すれば、2~3週間で300gほどになる果実が収穫できます。白い果実も緑色の果実も、熟しすぎると見た目には色が変わりませんが、皮が硬くなるので、よく観察し、開花後2~3週間で収穫しましょう。もし、皮が硬くなっても、皮をむけばおいしく食べられます。 ハヤトウリの果実は、酒粕につけて奈良漬にするほか、塩漬け、酢のもの、炒めもの、おでんの具などにしておいしく食べることができます。特に、白い果実は緑色の果実よりもクセがないので、どんな料理にも合います。 ハヤトウリの果実はほとんどが水分なので、ダイエット中の人にもおすすめです。また、若い茎も根も食べることができるので、摘心した際の新芽や、掘り上げたときの根も食べてみてはいかがでしょうか。